オプショナルキャリア計画(旧名:FUKUSEN思考)

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会社の歴史から終身雇用を考える 現代編

前々回の「会社の歴史から終身雇用を考える 世界史編」、前回の「会社の歴史から終身雇用を考える 日本史編」の続編です。

今回は、現代日本における終身雇用(長期雇用)について今一度考えてみましょう。

 

現在では、一般的に企業に正社員で採用される場合には、期間の定めがない形で雇用契約を結びます。

そして日本の企業は定年制を採用しています。

この期間の定めがない雇用契約と定年制が日本の雇用の特徴として終身雇用(長期雇用)と言われる前提となっています。

 

かつて女工哀史や蟹工船に代表されるように、世界でも日本でも、使用者(経営側)と労働者(雇用される側)の間には圧倒的な力の差があり、労働者(特に工場労働者)は過酷な労働を強いられてきていました。

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日本で民主主義が発展する段階で国民の人権をどう守っていくかという中で、労働者の人権も次第に守られていくようになり、戦後に労働三法と呼ばれる労働基準法、労働組合法、労働関係調整法が制定され、対等的労使関係の基礎が確立されました。

日本が工業立国して成長していく過程ですね。

その過程の中で、例えば松下電器(現パナソニック)のように、社員を家族同様に扱い、また社員の家族も大切に扱い、終身雇用を守ると宣言する企業が出てきて他社も追随していきました。

 

ではどんな業界でも終身雇用が当たり前なのか、逆に言うと転職や独立などは特殊なことなのかというとそんなことはありません。

業界によるのです。

 

最も端的な例を挙げると、美容師さんや看護師さんなど手に職系の方々は転職が一般的です。美容師さんは転職しないと給与が上がらないとも言われており、自分の腕を磨いてより自分を高く買ってくれるところに転職したり、自分で開業したりします。

看護師さんは自分で開業することはありませんが、常に人材不足の業界なので、現在よりも有利な条件で働ける場所を見つければ、躊躇なく転職します。もちろん自分のスキルを上げる努力は惜しみません。

 

IT業界も雇用の流動性が高い業界の一つですね。

スキルが目に見えやすいですし、プロジェクト形態の仕事が多いことも転職をしやすいことに繋がっているのでしょう。こちらも常に人材不足の業界です。

 

前回の日本史編で日本の株式会社は銀行から始まったと記しましたが、銀行や重厚長大産業、インフラに関わる仕事は逆に雇用の流動性は高くありません。

常に一定の仕事があることに加え、会社独自のやり方があることや、熟練度合が求められることがその背景にあるのではないかと思います。

 

産業革命以降、時代の変化は激しくなりましたが、IT革命以降はそのスピードがかつての比ではないくらいのものになりました。

そしてものづくりも考え方が大きく変わりました。金融もITの影響で大きく在り方が変わりました。今やお金はリアルな紙幣ではなくデジタルな数字の羅列です。

 

さらに今ではAIやロボットに仕事が奪われるなど、まことしやかに言われるようになってくる世の中です。

今まででも農業であっても、工場であっても、工業化、IT化など色々な場面で人間の仕事に変化はありましたが、そのスピードが現在経営を担っている昭和世代の方々からすれば想定を遥かに超えていたということなのでしょう。既得権益の問題などもあるかとは思いますが、想定よりも変化が激しい時代になってしまったことで、経営側も雇われる側も大きく意識を変えなければならなくなったのは事実です。

 

私は長期雇用が合う産業・業界は未だにあると思いますし、合わない業界も確実にあります。業界のみならず職種やポジションについても同様です。

従って私としては、経営側に対しては、終身雇用(長期雇用)を引き続き前提として行っていく職種を明確に提示してほしいと思いますし、これまでそのつもりで雇用契約をしたのであれば、いきなり終身雇用を止めるというのではなく、それなりの準備期間と教育の機会を従業員に与えるべきだと考えます。

 

そして雇われて働くあなたも、ぬるま湯でゆでガエルになる前に、自らを研鑽し、そして外の厳しさに触れ、自分が市場でどう評価されるかを常に意識しながら、いつでも飛び出せる状態を作っておくことが大事だと思います。

 

もちろん経営側も私たち雇われる側も、そんなにすぐに対応できることではないでしょう。今から最低でも5年程度の猶予期間を設けた上で、お互いに選ばれる関係になれるよう、努力が必要な時代になったと言えると思います。

そう、ここでやっと労働三法が目指した「労使対等」が実現するということではないでしょうか。

  

あなたは〇年後、現在の会社から残ってほしいと言われるような努力をしていますか?

 

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今日よりもちょっと良い明日を