オプショナルキャリア計画(旧名:FUKUSEN思考)

このままではヤバいかも、と不安を抱える人に贈る現状打破講座

雇用の維持と副業・兼業解禁の関係

前々回(2019/5/14)の「終身雇用はもう限界」では、経団連の中内会長に続きトヨタ自動車社長の豊田章男氏が自動車業界を代表する団体の会長として「終身雇用を守っていくのは難しい局面になってきた」「終身雇用、企業にインセンティブ必要」と終身雇用制度を企業として維持するメリットがない旨の発言がニュースになっていたことを取り上げました。

 

企業が終身雇用(長期雇用)制度を維持できない、と言い切ってしまうのならば、今の日本で主流のメンバーシップ型組織がかなり制度疲労になっていることを企業自ら公言したと言い換えることができます。

 

「雇用を守る」

それを条件にして、日本企業は日本独特な滅私奉公の働き方である“総合職”を従業員に強いてきました。

それが「雇用を守れなくなったし、中途や派遣の社員が増えているこのご時世、やりがいのある仕事に就けるチャンスは広がっているんだから、辞めてもらっても大丈夫でしょ。」と取れる発言だったので、これは物議を醸しだしそうです。

 

雇用を守れなくなったのならば、滅私奉公を強いることはできない、と言えます。

「会社に頼るのではなく、キャリアは自分で創るものだ」なんてカッコいい言葉は随分前から言われていますが、そんな生き方なんて一握りの人しかできていません。

とはいえ、雇用が守られないのであれば、私たちは自分で自分の身を守るしかありません。

 

ここで働き方改革関連法が出てきます。

まさに「副業解禁時代の始まり」で触れた副業・兼業解禁です。

企業は雇用を守れないのであれば、従業員を時間的にも精神的にも拘束してはいけません。

「滅私奉公して働け!だけどお前らの将来は知らん!」

なんてことを言っていたら、特に若い世代は「何勝手なこと言ってんの?」とそういう企業をバカにした目で見ることでしょうし、そんな企業からは若くて優秀な人から真っ先に去っていきます。

 

もちろん雇用の維持は未来永劫の約束として約束できるものではないでしょう。とはいえ、その姿勢があるのか、それとも無いのかでそこで働く人のスタンスは当然変わります。

 

それにしても本当にこの経団連中西会長の発言にしろ、トヨタ自動車の豊田社長の発言にしろ、従業員側からすれば梯子をいきなり外された感がありますよね。

この経営者の方々はいいです。既にお歳も召されていますし、経営者なので定年も関係ありませんしね。

 

私も経営した経験があるので、経営者として言いたいことは充分にわかるつもりです。

ただ働く側のマインドは全く経営者とは異なります。

 

数年前ですが某大手電機メーカーや金融機関で研修をしたことがありました。

テーマは「一般職から総合職への転換に向けてのマインドチェンジ」

対象者は女性の一般職(事務社員)。総合職のアシスタント的な役割の女性限定の職です。

これは参加者からすれば「ふざけんな!」というものでした。

だって、その時40代だった人は、高卒や短大卒で就職して20年以上、一般職として放置(難しい仕事はさせず、責任も与えず、教育も最低限しかせず)されてきた方々でした。

まあ、時代を遡って考えれば彼女たちが入社したのはバブルの末期頃。

経営側からすれば結婚や出産で退職してくれると期待していたのに、なぜか居残ってしまった人たちということになるのかもしれません。

そんな彼女たちが、もう社内では一般職という職種は廃止するので総合職(一応エリア総合職ということで転勤無しという扱いにはなっていましたが)として頑張ってくださいと言われても、そりゃ無理!という話になります。

 

それと同じことが今後は全国規模で、会社を信じて働いてきた中高年層に対して一斉に襲いかねない状況なのです。

 

せめて、いきなりそれをやるのではなく、少なくとも副業・兼業を明確に解禁し、残業をなくし、会社以外でもやっていけるというマインドと手応えを掴ませてから実施して欲しいと切に願います。

 

あなたはお勤めの会社からいきなり長期雇用制度廃止と言われたらどうしますか?

 

注記: 誤解してほしくないのですが、私はむやみやたらに副業・兼業を推奨しているわけではありません。特にこの記事においては会社で働く個人ではなく、経営層に対して、今まで滅私奉公せよと言っておきながら、面倒見れなくなったので後は自分で何とかして、というスタンスに憤りを感じた、ということです。

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今日よりもちょっと良い明日を