オプショナルキャリア計画(旧名:FUKUSEN思考)

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副業・兼業・複業(パラレルキャリア)とは 法的根拠

副業解禁時代の始まり」から「副業・兼業・複業ならではの仕事」まで連休スペシャルとして「副業・兼業・複業」特集を行ってきましたが、それぞれの定義を明確にはしていないままにでした。

それぞれがどう違うのか、というご質問を頂いたので、今回からはそれぞれの言葉を考えてみましょう。

 

まず、法律の観点から見ていきましょう。

「副業・兼業・複業」どの言葉も法律には登場していません。

副業解禁時代の始まり」の回で記した、政府が2017年に発表した「働き方改革実行計画」の中で、

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「副業や兼業は、新たな技術の開発、オープンイノベーションや起業の手段、第2の人生の準備として有効」

とした上で、

「副業・兼業を希望する方は、近年増加している一方で、これを認める企業は少ない。」

「労働者の健康確保に留意しつつ、原則副業・兼業を認める方向で、副業・兼業を普及促進。」と記しています。

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と書きましたが、ここでも明確な定義付けが無いまま、いきなり「副業・兼業」という言葉が出てきます。

 

「副業・兼業」のことを指していると一般的に解釈される表現が出てくるのが、

国家公務員法103条、104条

地方公務員法38条

です。

 

1.  国家公務員法 第103条

職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。

 

2.  国家公務員法 第104条

職員が報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、その他いかなる事業に従事し、若しくは事務を行うにも、内閣総理大臣及びその職員の所轄庁の長の許可を要する。

 

3.  地方公務員法 第38条

職員は、任命権者の許可を受けなければ、営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利を目的とする私企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。

 

上記の通り、国家公務員及び地方公務員は、条文中に「副業」や「兼業」「複業」という言葉こそどこにも出てきていませんが、営利企業への就職と自営は明確に禁止されています。(内閣総理大臣及び、管轄部門の長の許可がある場合は例外)

 

では民間企業に勤める方はどうなのでしょうか?

民間企業で働く方を対象とした副業禁止を明文化した法律は存在しません。

しかし企業側と雇用契約を締結する際に、就業規則に則って働くことを了解しているわけですから、その契約が前提となります。

その就業規則内に副業禁止規程があれば、企業はそれを盾に副業禁止を社員に要請することができます。

もちろん一般的には雇用契約による勤務時間中の労働は義務です。逆に言えば雇用契約に基づく勤務時間以外の時間はそれぞれの自由であり、縛ることは本来できないと言えます。

公務員のような法律もなく、あくまでも企業と個人の契約に基づく問題なので法律では民法に基づいて考えることになります。

民法は広い範囲をカバーしており、特別法のように法の対象を特定したりしていないので、わかりにくくなっているかもしれませんね。

 

条文などで明文化はされていないものの、過去の判例から副業が認められないものは大きく3つに分類できます。

1つ目は「疲労等により本業に影響が出るような副業」です。こちらは解雇が妥当だと認められたこともあります。

 

2つ目は「本業と競業関係にある副業」です。こちらは会社の信頼を裏切る行為であり、企業秘密などが競業他社に漏れてしまう危険性があります。実際に競業関係を副業とすることに問題があるとされた判例があります。

 

3つ目は「副業内容が本業の会社の信頼を失墜させるような場合」です。法律に反する業務内容であったり、反社会的勢力と繋がりを持つような業務は社会通念上でも、就業規則上でも大きな問題です。

 

逆に言えばこれらの要素を避ければ法的には問題ないとされています。(あくまでも過去の判例からの解釈)

これらの法的な前提を踏まえた上で、次回以降は各言葉の意味をそれぞれを考えてみたいと思います。

(続く)

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今日よりもちょっと良い明日を