オプショナルキャリア計画(旧名:FUKUSEN思考)

このままではヤバいかも、と不安を抱える人に贈る現状打破講座

幅広く、そしてちゃんと学ぶ

生き方・働き方改善士のFUKUSENです。

 

前回(2019/4/19)のエントリー「日本型雇用、転機に」では、日経新聞のトップ記事を飾った「経団連、通年採用に移行 新卒一括採用を見直し」の記事を基に、これから学生も企業も、そして大学も変わらざるを得ない時代に突入したことを書きました。

そして私たちも良い意味での緊張感を持つことにも触れました。

 

前回の記事の追記となりますが、同日(2019/4/19)の日経電子版では、そのトップ記事と連動して

”「勉強する学生が欲しい」経団連、通年採用の本音”

と題する記事が掲載されていました。

 

そこでは採用の自由化を求める経団連と学業に影響が出るとしてルール撤廃に抵抗していた大学が合意に至った背景として、経団連が「学業重視」を打ち出し「卒業要件を厳格化」してほしいと大学側に伝えたからだとされています。

 

昭和の時代から大学のレジャーランド化が言われて久しいですね。

文科省も大学生にもっと勉強させるべく、授業の出席回数を単位取得要件にするなど以前に比べて締め付けが厳しくなっています。が、それでも日本の大学生(特に文系)は勉強していないと、私も今まで多くの大学で教員や就職支援などをしてきた経験から感じています。

 

私は日頃企業の人事や採用担当者と接する機会がありますが、口々に彼ら/彼女らが言っているのは

「なんでひどい学生を卒業させるのか」

ということ。

大学の地盤沈下は今に始まった話ではありません。70代、60代、50代、40代…と年代が下がっていくにつれ大学生や新入社員のレベルが下がっていると感じているでしょう。

昔から言われている「今どきの若い者は…」は古今東西いつの時代でもありますが、80年代後半から90年代に大学の設置基準が緩和されたことに伴い、現在は777校もの大学が全国にあり、それと逆行して18歳人口の減少から「全入時代」と言われるようになってしまっています。

結果、今のご年配の方からすれば、最高学府の学生とは思えない、まさに「分数がわからない」どころかへたすれば「四則演算さえあやしい」大学生が大量生産されてしまったわけです。

 

…というのも大学を始め、小中高大の文科省から認可されている教育機関のビジネスモデル(と表現するのは若干ためらわれますが)が、他のビジネスと根本的に異なるのは、売上が下がった際に営業を頑張ればすぐに回復することができないということ。

定員があり、今ではそれを厳格に守らなければ補助金を減額されます。そしてせっかく学生を集めても途中で退学されたら、本来その学生がいれば卒業まで見込めた数年間の収入(=学費)を賄うことはできません。あまり厳しくして大量に留年させると退学してしまうリスクを負います。(実際に一部の理系大学などでは起こっています)

さらに裏話として教員側からすれば、面倒な手のかかる学生を卒業までに頑張って矯正するより、さっさと卒業してもらうほうが楽ですから。大学の教員にはそんな義務も責任もありませんし。

 

そんなことから日本の大学は入ってしまえば遊んでいても卒業できる、といわれる構造が出来上がったわけです。

建前としては、“大学生”はもう自立した大人であり、自分で勉強するのが当たり前とされています。そして自立した大人なんだから、勉強するもしないも、そして社会性を身に着けるのも全て自分の責任だ、というのが大学教員側の主張です。

 

経団連の中西会長はかねてより「きちんと勉強をした学生を企業が採用するのがゴール」と語っていたことからもわかるように、企業側からすれば(かつて今のオジサンたちが学生時代にどうだったかは棚に上げて(苦笑))

「”読み書きそろばん”や”最低限の躾やマナー”はもちろんのこと、読書する習慣やゼミでディスカッションの基礎くらいはちゃんとやってきてほしい」

と思っています。

それくらい今の大学生は本を読みませんし、ゼミも皆が予習してこないのでディスカッションが成り立たず、教員もそれを何とかする気も失っている…下位クラスの大学では当たり前の光景です。

 

さらに経団連はこうも言っていいます。

「文系と理系の境目は時代遅れ。すべての学生は数学を学び、理系の学生も文化や歴史などの教養を深めるべきだ。」

確かに日本人の教養の低さは有名です。大人になって、そしてエリートの外国人と接すると嫌というほど突きつけられます。

 

最後に日経新聞はこう締めくくっています。

「経団連と大学が合意した通年採用の拡大は、大学に教育改革を求めることになる。」

 

そりゃそうです。

 

さあ大学も学生もこれからは大変です。

そして今後はきちんと勉強する習慣ができている学生が増えてくるでしょう。

そうなるとあなたも私たちもうかうかしていられません。ボーっとしているとそういう若手に突き上げを喰らうことになりますからね。

よい緊張感を保ちつつ、幅広く、ちゃんと学ぶ習慣を身につけたいものです。

 

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